磁性、高温超伝導、有機超伝導、金属絶縁体転移など電子間のクローン相互作用の効果が重要な物質(強相関電子系)で見られる現象には、重要で興味深いにもかかわらずまだ十分には理論的理解が得られていないものがいくつもあります。それらがどういうメカニズムで起きるかについて理解し、また新しい現象を予言することなどを目指して、いろいろな数学的手段やコンピューターを用いた数値的方法などを駆使して研究を行っています。

AIの発展と機械学習(ML)の成功に基づくインフォマティクスの活用が様々な分野で謳われています。
量子化学と物性物理学は役に立つ物質を生み出す目標をもっており、それを実現する一つの方法として、計算科学を応用してきました。これを計算物質科学と呼びます。計算物質科学でも、MLなどのインフォマティクス技術を活用して、材料開発を推進する方法が開始されています。

Research研究内容

物質中で電子系が示す量子的相関運動の精密計算手法を、量子統計力学と密度汎関数理論を拡張して開発し、 磁気・超伝導などの多体現象を解明しています。 ゲージ自由度の変動も用いたシミュレーションを実施して、 荷電・スピンの秩序形成を判定します。 そして、ナノ炭素系やナノ粒子形成触媒など新規物質系の特性解明と予測までを行います。 量子力学的効果による物質機能を発現する未来型物質の創成を目指します。

グラフェンとトポロジカル量子効果

グラフェンとトポロジカル量子効果

2次元物質の代表であるグラフェンには、ディラックが発見した相対論的粒子が従う運動法則を、実験室系において検証できる舞台としての物理的価値があります。このグラフェンの幾何学的性質が量子力学的粒子である電子の現れ方こそが、トポロジカル量子効果として世界的に注目を浴びています。私達は、この

マテリアルズインフォマティクス

マテリアルズインフォマティクス

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、物質機能の設計を、数理物理学と計算科学の技術を、インフォマティクスが与える逆問題の解法、機械学習、進化的アルゴリズムなどを縦横に用いて実現していく研究・開発方法を提供します。この研究方法で人工的に設計された物質からは、これまで不可能とされた物質機能を

最新の研究

より広い「産学官連携」を関西圏の地の利を活かして可能にします。
わたしたちの研究が社会に直接役に立つ技術の創出に努めています。
さらに、水素関連技術への応用など新たな技術分野へ持続可能な未来を目指します。
グローバルに活動する研究者の育成を教育の目標に掲げてこれからの人材を育てています。

実験科学と連携したMI
超伝導体設計
解析接続への機械学習の応用

実験科学と連携したMI

Theory in Materials Science 物性理論

・理論表現の進展
・研究ベースの教育・人材育成
・分野間への波及
・社会還元 社会貢献

超伝導体設計

銅酸化物高温超伝導体の物質設計を、幾つかの電子状態計算法により進めた。

1.黒木・有田・青木理論によるフェルミ面
トポロジー判定法, S. Miyao, et al., JPS Conf. Proc. 3, 015008 (2014).
  Cf. H. Sakakibara, et al., Phys. Rev. B 89, 224505 (2014).
2.黒木・有田・青木理論と有効相互作用物質依存性の考慮
S. Teranishi, et al., preprint (2020).

実験に先立つ成功事例の出現は、充分に見こされる段階に来ている。

解析接続への機械学習の応用

ニューラルネットワークによる実時間スペクトル関数の再構築

酒井裕貴, 草部 浩一(2020, JPS spring meeting)

関数モデリングと学習機械

TOP