ダイヤモンドを合成する方法には、様々な方法がありますが、グラファイトを高い圧力で圧縮する方法は、地球内部で起こることに近いダイヤモンドの合成方法であるとも言えます。
原子間力が圧力とともにどのように変化するかを、正確に表現できる方法を用いれば、このダイヤモンドをグラファイトから作るところを、コンピュータシミュレーションによって見てみることが出来ます。温度を保って圧力を上げていくと、グラファイトの構造を作っている層状の構造から、新しい化学結合が層と層の間を繋ぐように現れます。この反応の結果、物質の構造全体が変化して、ダイヤモンド構造が現れます。
シミュレーションで得られたダイヤモンド構造(六方晶)
動画の前半で現れる画像は、実際の高圧実験における観測結果を示しています。六角形の物体は、高圧装置の中に置かれたグラファイトです。圧力が上がっていくと透明な部分が広がっていって、全体がダイヤモンドに変化しています。この変化を、シミュレーションで再現できるでしょうか?
グラファイトからダイヤモンドへの構造相転移
実験結果と計算結果は、かつて東京大学物性研究所で得られたものです。当研究室ではその成果をさらに発展させて、様々なダイヤモンドの作成条件を検討したり、ダイヤモンドの新しい利用方法についても理論的な研究を進めています。
資料提供:東京大学物性研究所常行研究室(作品作成当時)、兵庫県立大学理学部草部研究室